国土交通省認定のドローン資格とは？

国土交通省が認定する「無人航空機操縦者技能証明」は、2022年12月に施行された新たな制度です。これは、ドローンの安全な運航を確保するために設けられた国家資格であり、一等・二等の2種類に分かれています。

この資格を取得することで、業務利用の幅が広がり、特に測量・点検・物流・災害対応などの分野での活躍が期待されます。

取得の流れと必要なステップ

ステップ1：講習の受講（指定スクールで学ぶ）

無人航空機操縦者技能証明の試験を受けるには、国土交通省が認定する登録講習機関での講習を受講することが一般的です。講習では、以下の2つの要素を学びます。

• 学科：航空法、運航ルール、気象学、安全管理など
• 実技：基本的な操縦技術、異常時対応など

1等資格では、より高度な実技トレーニングが含まれ、取得までに長い期間を要することが特徴です。

ステップ2：試験の受験

指定試験機関（一般財団法人日本海事協会）で受験します。試験は学科試験と実地試験の2つに分かれています。

• 学科試験：航空法、無人航空機のシステム、安全管理などの知識を問う筆記試験
• 実地試験：指定された飛行課題をこなし、適切な操縦技術があるかを評価

なお、登録講習機関での講習を修了すると、実地試験は免除されます。また上記に加え、身体検査も受ける必要があります。身体検査の受検方法としては、以下のいずれかを選択できます。

• 有効な公的証明書の提出：自動車運転免許証（自動二輪免許、小型特殊免許、原付免許を除く）などの提出。
• 医療機関の診断書の提出：所定の様式に基づく医師の診断書を提出。
• 指定試験機関での身体検査受検：指定された試験機関で直接身体検査を受ける。

一等資格で最大離陸重量が25kg以上の無人航空機を操縦する場合は、より厳格な基準が適用され、詳細な検査が必要となります。

ステップ3：国土交通省への申請と免許証発行

試験に合格した後は、国土交通省に対して免許証の発行申請を行います。申請には、以下の書類が必要です。

• 本人確認書類
• 試験合格証明書
• 申請手数料

申請後、問題がなければ約2週間程度で免許証が発行されます。

トップクルーで受講いただければ実地試験が免除されます。指定試験機関（一般財団法人日本海事協会）による実地試験は岩手県では行われておりません。

過去問分析と弱点克服

過去問を繰り返し解いて出題傾向を把握し、自分の弱点を見つけることが重要です。間違えた問題は解説をよく読んで理解し、類似問題にも対応できるようにしましょう。

重要項目の整理と暗記

無人航空機の飛行に関する許可・承認の手続き、安全な飛行のための知識、気象、航空法規といった重要項目を整理し、暗記しましょう。用語の定義や関連法規なども正確に理解することが大切です。

模擬試験による実力チェック

学習の進捗に合わせて模擬試験を受け、実力を確認しましょう。時間配分や問題形式に慣れることで、本番での緊張を和らげ、実力を発揮しやすくなります。

ビジネスでの活用事例

農業分野での活用

農薬散布や生育状況のモニタリングにドローンが活用されています。広大な農地でも短時間で農薬散布が可能となり、上空から撮影した画像データから生育状況を的確に把握することで、収穫量の向上や品質改善に貢献しています。

測量分野での活用

従来の測量方法と比較して、ドローンを活用することで大幅な時間短縮とコスト削減を実現できます。急峻な地形や広大な土地でも容易に測量が可能で、精度の高い3Dモデルを作成できます。これにより、土木工事や都市計画など、さまざまな場面で効率的な測量作業が可能となっています。

インフラ点検の分野での活用

橋梁や送電線など、高所や危険な場所の点検を、安全かつ効率的に行うことが可能です。高解像度カメラで撮影した画像を解析することで、老朽化や損傷の早期発見につながり、事故の予防にも貢献しています。

今後のドローン業界の動向

ドローン業界は技術革新により、今後さらなる発展が期待される分野です。特に岩手県では、広大な農地や山間部での活用が進んでおり、ドローン資格保持者の需要は着実に高まっています。実技や学科の知識を活かせる場面も多様化しており、農業分野での農薬散布や測量、インフラ点検、空撮業務など、活躍の機会が広がっています。

ドローン業界では、新しいビジネスモデルの創出が続いています。例えば、災害時の情報収集や物流での活用、建設現場での測量など、従来の手法を革新的に変えつつあります。認定資格を持つドローンパイロットは、これらの新規事業に参入する優位性を持っていると言えるでしょう。