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DJI Matrice 4Dシリーズが国土交通省より無人航空機の第二種型式認証を取得

 2026年6月25日、DJIは産業用ドローン「DJI Matrice 4D」および「DJI Matrice 4TD」(以下、Matrice 4Dシリーズ)において、国土交通大臣より「第二種型式認証」(型式認証書番号 第13号)を取得したことを発表しました。

 

 

DJIの産業用ドローン(DJI Enterprise製品)としては初、さらにドローンポート(DJI Dock 3)運用ソリューションとしても日本初となるこの型式認証の取得は、今後の日本の産業ドローン市場、および遠隔自動運用において極めて重要な転換点となります。

本記事では、Matrice 4Dシリーズが第二種型式認証を取得した背景や、それによって実現する「飛行許可・承認申請の簡略化」、そして実際の測量・点検・災害対応等の「業務活用における多大なメリット」について、体系的かつ詳細に解説します。

 

 

1. 基礎知識:ドローンの「型式認証」と「機体認証」の仕組み

 

 

まずは、今回のニュースの根幹にある航空法の制度について整理します。日本のドローン規制(2022年12月施行)では、有人地帯での目視外飛行(カテゴリーIII)や、特定飛行(カテゴリーII)を行う際の安全性を担保するため、機体に対する認証制度が設けられています。

型式認証(メーカー対象)

メーカーが設計・製造する量産機の「型式」そのものが、国の定める安全基準や均一性の基準に適合しているかを検査・承認する制度です。

機体認証(ユーザー対象)

ユーザーが所有する「個々の機体(一機ごと)」が、整備状態を含めて安全基準に適合しているかを検査・承認する制度です。

💡 重要なポイント

メーカー側が「型式認証」を取得しているドローンをユーザーが購入(または既存機体を対応)させることで、ユーザー自身が「機体認証」を申請・取得する際の検査が大幅に簡略化(または一部免除)されます。

今回、Matrice 4Dシリーズが取得した「第二種型式認証」は、操縦ライセンス(二等無人航空機操縦士以上)と組み合わせることで、「カテゴリーII飛行」における一部の飛行許可・承認申請を不要(あるいは簡略化)にするための極めて重要なステップです。

 

2. 飛行許可・承認申請はどのように簡略化されるか?

 

 

Matrice 4DシリーズがDJIの産業機として初めて第二種型式認証を取得したことで、業務運用における「特定飛行」の手続きが劇的に変わります。

 

 

2-1. ライセンスとの組み合わせで「申請不要」となるケース

「第二種型式認証」に紐づく「第二種機体認証」を受けたMatrice 4Dシリーズを、「二等無人航空機操縦士(以上の国家資格)」を持つ操縦者が特定飛行(カテゴリーIIB)させる場合、以下の主要な特定飛行において、国土交通大臣への事前の飛行許可・承認申請が免除(不要)となります。

  1. 人口集中地区(DID)上空での飛行

  2. 夜間飛行

  3. 目視外飛行(BVLOS)

  4. 人または物件との距離30m未満での飛行

これまで、インフラ点検や夜間の警備、広範囲の測量などを行う際には、フライトごとに、あるいは年間の包括申請として事前に多くの書類を作成し、審査を待つ必要がありました。型式認証・機体認証・国家資格の3つが揃うことで、これが完全に不要となり、「思い立ったその日、その場所で即座に業務フライトを行う」ことが可能になります。

 

2-2. 申請が必要な場合でも「書類作成の負担」が劇的に軽減

一方で、全ての特定飛行が無条件で申請不要になるわけではありません。例えば、対応する特定飛行のうち、以下のケース等では引き続き申請が必要です。

  • 催し場所(イベント)上空での飛行

  • DJI Dock 3を複数台用い、操縦者1名で「多数機同時運航」を行う場合

しかし、このように申請が必要なケースであっても、第二種型式認証を取得している機体であれば、ドローン情報システム(DIPS 2.0)での申請時に機体情報を入力する際、安全性の証明に関する書類の添付や詳細な説明が大幅に免除されます。国がすでに安全性を担保している機体であるため、審査自体もスムーズに進むという大きなメリットがあります。

 

 

3. DJI Matrice 4D

シリーズがカバーする「5つの特定飛行」

 

今回取得された型式認証において、適合が認められた特定飛行は以下の5項目に及びます。

番号 特定飛行の種類 内容と業務における重要性
(1) 人口集中地区(DID)上空 都市部や集落内でのインフラ点検、建築物調査、災害状況把握に必須。
(2) 夜間飛行 夜間の警備監視、夜間災害発生時の緊急偵察、夜間測量などに不可欠。
(3) 目視外飛行 河川・山林・送電線の巡視、広域な災害対応、完全遠隔運用の核心。
(4) 人・物件から30m未満 構造物に接近して行う高精度な点検、現場内での日常的な撮影。
(5) 催し場所上空 イベント時のリアルタイム映像配信や警備(※要申請)。

産業運用の現場で求められるほぼ全ての特殊飛行シチュエーションがカバーされている点が、Matrice 4Dシリーズの強みです。

 

 

 

4. 業務活用における4つの多大なメリット

 

 

Matrice 4Dシリーズとドローンポートソリューション(DJI Dock 3)の組み合わせが第二種型式認証を得たことは、企業のドローン内製化や業務効率化にどのような革新をもたらすのでしょうか。主なメリットを4つの視点から解説します。

 

メリット①:業務の「超・高速化」と柔軟なスケジュール管理

従来の包括申請や個別申請では、承認が降りるまでに数週間を要することが一般的でした。

天候の急変や工事スケジュールの変動が多い測量・点検現場において、「今週は晴れるから明日飛ばしたい」「急なインフラトラブルが発生したからすぐに状況を確認したい」といったニーズに、これまでは法的手続きの壁が立ちはだかっていました。

申請が不要になれば、現場の状況に合わせて即日フライトが可能となり、業務のリードタイムを劇的に短縮できます。

 

メリット②:ドローンポート「DJI Dock 3」による完全自動遠隔運用の社会実装

今回の発表で最も注目すべき

は、ドローンポート・ソリューション(DJI Dock 3を用いた自動離着陸・充電・運用システム)として日本初の型式認証取得であるという点です。

山間部や沿岸部、大規模工場、河川などにDJI Dock 3を設置し、オフィスから遠隔地への目視外飛行を行う自動巡回・自動点検ルートにおいて、これまで高かったハードル(毎回の煩雑な目視外飛行申請など)が解消されます。これにより、「完全無人・自動化された遠隔オペレーション」の本格的なビジネス展開・社会実装が現実のものとなります。

 

メリット③:コンプライアンス遵守の容易化と「安全性の証明」

企業がドローンをビジネスで活用する際、最も懸念されるのが「万が一の事故」や「航空法違反のリスク」です。

第二種型式認証を取得している機体は、設計・製造段階で国土交通省から「日本の空を安全に飛ぶ基準を満たしている」とお墨付きを得ています。発注元(クライアント)や周辺住民、自治体に対して、「国が安全性を均一に担保した機体を使用している」と公的に説明できるため、企業のコンプライアンス強化と信頼性確保において強力なバックボーンとなります。

 

 

 

 

メリット④:申請管理コスト・行政書士費用の削減

企業内で数十台規模のドローンを運用している場合、毎年の包括申請の更新手続きや、パイロット変更に伴う追加申請の手間は、安全管理部門にとって非常に重いコストとなっていました。行政書士に申請を代行してもらう費用も、年間で見れば決して無視できない額になります。

国家資格(二等)の取得費用や機体認証の手続きコストは初期に発生するものの、一度体制を構築してしまえば、中長期的な申請管理コストや外部委託費用を大幅に削減することが可能です。

 

5. 導入に向けた注意点と要件

 

非常にメリットの大きい第二種型式認証ですが、その恩恵を最大限に受けるためには、いくつかの制約やルールを正確に把握しておく必要があります。

 

5-1. 「機体認証」の個別取得が必要

メーカーが型式認証を取得したからといって、購入した機体がそのまま申請不要になるわけではありません。ユーザーは、購入した(または所有する)Matrice 4Dのシリアルナンバー等を用いて、ドローン情報システム(DIPS 2.0)等から「第二種機体認証」の手続きを行い、認証書の交付を受ける必要があります(※型式認証があるため、検査は大幅に簡略化されます)。

 

5-2. 純正外の構成パーツ・オプションに注意

認証は、特定の機体構成・アクセサリーの組み合わせに対して付与されています。

  • バッテリー: DJI Matrice 4Dシリーズバッテリー

  • コントロールステーション(操縦装置): DJI Dock 3、DJI RC Plus 2 Enterprise、DJI RC Plus 2 Enterprise Enhanced など

これら以外のサードパーティ製の非公式バッテリーや、未承認のオプションパーツを装着して特定飛行を行う場合、型式認証の枠組みから外れ、従来通りの複雑な個別申請が必要になるケースがあるため注意が必要です。

 

5-3. 携帯電話回線(LTE/5G)利用時の手続き

遠隔運用を支える「DJI Cellular Dongle 2」等を使用し、携帯電話回線を利用した上空通信を行う場合は、別途、通信事業者との上空利用専用のSIM契約や、総務省への手続きが必要となります。これは航空法とは別の「電波法」等の管轄となるため、導入時には並行して準備を進める必要があります。

 

5-4. 2026年8月末頃より販売開始予定

代理店情報によると、第二種型式認証に対応した(認証情報ステッカー等が貼付・管理された)Matrice 4Dシリーズの本格的な販売開始時期は、2026年8月末頃を予定しています。既存機体をすでに所有しているユーザー向けの対応については、DJI公式や各カスタマーサポートのガイダンス(無人航空機適合確認書の発行など)に従う必要があります。

 

6. まとめ:Matrice 4Dシリーズが切り拓く産業ドローンの未来

 

 

DJI Matrice 4D / 4TDシリーズが第二種型式認証を取得したことは、単に「書類手続きが楽になる」というレベルの話に留まりません。

 

これまで「実証実験」の域を出づらかった「ドローンポートを用いた完全遠隔・自動の目視外巡回(カテゴリーII)」が、極めてスムーズかつ迅速に、日常的なビジネスフローへと組み込めるようになったことを意味します。

  • 測量・建設現場: 朝一番の現況測量を自動化し、進捗をクラウドで毎日リアルタイム共有。

  • 点検・インフラ: 広大な太陽光発電所やプラント、河川の堤防を、オフィスからの遠隔操作で毎日自動パトロール。

  • 防災・災害対応: 災害発生時、現地のドローンポートから即座に夜間・目視外で離陸させ、迅速な状況把握を実施。

操縦者の国家資格化(二等無人航空機操縦士)の普及とも相まって、この型式認証取得は、日本の産業界におけるドローン本格普及を一気に加速させる起爆剤となるでしょう。今後ドローンの業務導入・内製化を検討している企業にとって、Matrice 4DシリーズとDJI Dock 3の組み合わせは、2026年下半期以降の最も有力な選択肢の一つとなります。

 

国土交通省認定:更新講習機関(登録番号:R0134001)

 

施設名: 株式会社トップクルー岩手ドローンセンター

所在地: 岩手県花巻市湯本第7地割 197 番地 1

お問い合わせ先: 電話番号 0198-29-4120 

 

HPの問い合わせからでも結構です。担当 古舘 (フルダテ)

 

 

空の安全と発展を、私たちは運用支援の面からも支えてまいります。

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